2016年9月28日水曜日

相対論因子の変わった求め方

Motion Mountainでは相対論因子を以下のように求めている。

実験から相対論的運動量保存則と相対論的質量エネルギー保存則が満足されているという所から始める。

相対論的運動量保存則:\[ \sum_{i} \gamma_{i}m_{i} \boldsymbol{v}_{i} ={\rm const} \]
相対論的質量エネルギー保存則:\[\sum_{i} \gamma_{i}m_{i} ={\rm const} \]

さて、次のような質量が等しい2個の粒子の非弾性衝突を考える。


観測者Aの場合、運動量保存則は $\gamma_{v} m v = \gamma_{V} M V$ と質量エネルギー保存則は$\gamma_{v} m + m = \gamma_{V} M $ となる。また、系Aの速度$v$は系Bの2個の粒子の速度$v$と速度$V$の合成で得られるので、相対論的速度の合成式を用いて、
\[v = \frac{ 2 V}{ 1 + V^{2}/c^{2} }\]
となる。この上の2つの保存則の式から$\gamma_{V} M$を消去すると  $\gamma_{v} v = (\gamma_{v}+1) V$となり, この式と速度の合成式の $V$ を消去すると、相対論因子の具体的な形が得られる;
\[\gamma_{v}  = \frac{1}{\sqrt{1-v^{2}/c^{2}}}\]

2016年9月23日金曜日

光速より速いもの

昨日、本屋さんで雑誌「ニュートン」を見ていたら, 今月号の特集は「超光速は実現可能か」だった。

Motion Mountainにはいくつかの例が記載されている。波の位相速度が真空中の光速度を超える可能性はある。ほかにも、あるのだろうか。もちろん、真空中の光速の話である。

影の速度は光速はこえてもよい。Motion Mountainにはいくつも例が紹介されているので考えてみるとおもしろい。はさみで紙を高速で切るときの切断点の移動、LPレコード(過去の遺物かもしれないが)を高速で袋に入れる時のレコードのエッジ部と袋の上端の交点の横方向への速度、床に寝ている状態から高速で立ち上がったときの地平線が遠ざかる速度、月に送られるレーザー光を高速で横に動かしたときの月面上でのレーザースポットの速度。

もうひとつはみかけの速度が光速を越える可能性があるという話が書かれており、それがクェーサーからのジェットが光速を超えて見える場合があること、また、タキオンを観測できるかどうかという話に展開されてる。

ともかく、Motion Mountainでは「energy speedは光速cを超えることはできない」言う表現になっている。